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長くて、濃くて、多い睫毛。
少し青みがかった白目が、ただでさえ黒目がちな目を潤んでるように見せて。
決して白いわけじゃないけど、黒くはない健康的な肌。
平均より少し高い、うちのバスケ部では真ん中くらいの身長。
ケアはしていないっぽいけど、でもバサバサじゃない。
ワックスでアホ毛だけを押さえてる、、割とサラサラな焦げ茶色の髪。
『……茱璃?何見てんだ』
『ん、いや、特にはなんにも』
『変なヤツやな』
元々は関西の生まれらしく、時々関西弁が出る。
関西弁を使う人は関西圏を出てもずっと関西弁を使うらしい。
逆に標準語を喋ってる人が関西や他の方言の所に行くと、たちまちその言葉が移るらしい。
俺のじいちゃんも関西に住んでるから、俺の言葉にも時々関西弁が混じる。
……というか、二人で話し出すともろに関西弁なんだけど。
関西弁のままだときつく聞こえるから、と。
彩瀬は普段標準語を喋ろうとするけど、イントネーションは関西弁のまま。
標準語だと自分が冷たく感じるらしい、俺にはよくわからない理由だ。
でも、それが彩瀬らしい。
周りとうち解けて、でも自分を忘れない。
そんな彩瀬だからこそ、俺は信頼している。
親友、クラスメート、チームメイト、部長副部長。
俺と彩瀬は色んな言葉で言い表せる関係で、自他共に「仲が良い」と思っている。
**少し長くなりそうなので**
少し青みがかった白目が、ただでさえ黒目がちな目を潤んでるように見せて。
決して白いわけじゃないけど、黒くはない健康的な肌。
平均より少し高い、うちのバスケ部では真ん中くらいの身長。
ケアはしていないっぽいけど、でもバサバサじゃない。
ワックスでアホ毛だけを押さえてる、、割とサラサラな焦げ茶色の髪。
『……茱璃?何見てんだ』
『ん、いや、特にはなんにも』
『変なヤツやな』
元々は関西の生まれらしく、時々関西弁が出る。
関西弁を使う人は関西圏を出てもずっと関西弁を使うらしい。
逆に標準語を喋ってる人が関西や他の方言の所に行くと、たちまちその言葉が移るらしい。
俺のじいちゃんも関西に住んでるから、俺の言葉にも時々関西弁が混じる。
……というか、二人で話し出すともろに関西弁なんだけど。
関西弁のままだときつく聞こえるから、と。
彩瀬は普段標準語を喋ろうとするけど、イントネーションは関西弁のまま。
標準語だと自分が冷たく感じるらしい、俺にはよくわからない理由だ。
でも、それが彩瀬らしい。
周りとうち解けて、でも自分を忘れない。
そんな彩瀬だからこそ、俺は信頼している。
親友、クラスメート、チームメイト、部長副部長。
俺と彩瀬は色んな言葉で言い表せる関係で、自他共に「仲が良い」と思っている。
**少し長くなりそうなので**
『なぁ、彩瀬』
『ん?』
ジャーペンを置き、部誌から顔を上げる彩瀬。
『俺さ、お前のパス受けたときめっちゃ感動したんやけど、覚えとる?』
『あぁ……初めてって感じやなかったわ、俺も』
『なんか絶妙のタイミングっていうか』
『以心伝心、って感じやったよなぁ』
球速、タイミング、ポジション、全部が丁度ピッタリで。
まるで昔から同じチームでプレイしていたみたいに、パスが通った。
『まぁ、中学ん時は全国大会でよぉ会ったしなぁ』
『そうやなー。俺も彩瀬も部長でさ、中学最後の試合』
『あぁ、あの決勝戦やろ?延長戦にもつれこんだんやったなぁ』
『あの時、やっぱ彩瀬って凄いなぁって思ったで』
彩瀬はその前の準決勝で足を痛めて、決勝はスタメンから外れていた。
俺らとしては相手がベストメンバーじゃなくて残念だったけど、でも、これなら勝てると思ってた。
だけど。
『123対124で、お前ん所が勝ったんだよなぁ』
『まぁ、俺も負けられんかったし』
延長戦で、彩瀬の方のチームは「主将(彩瀬)が居ない」ってことで明らかに動揺が走った。
でも、最後の10分、流れを変えたのは彩瀬だった。
『10分だけでも、結構きつかったやろ?』
『まーな、医者に怒られた。でも、俺はこの試合で足が使いもんにならんでもえぇと思ってたし』
テーピングをした彩瀬がジャージを脱いでコートに入った瞬間、相手チームの雰囲気が一変した。
切れかけてた集中力が研ぎ澄まされ、士気が一気に上がってた。
『俺は、あいつらと一緒やったから全国まで行けた。みんな俺を頼ってくれたし俺も頼ってた』
彩瀬のチームの団結力は全国一だと、俺たちや他の奴らも思っていた。
将来有望な主将が、自らの未来を棒に振るような危険を冒してまで、優勝に執着した。
その彩瀬の勇姿は美談となり、新聞に載るまでになった。
『今、試合に出んかったら、きっと俺は後悔するって思った。どうしても勝ちたかったんや。俺らが追いかけて来たんは、優勝だけやったんや』
『……彩瀬、男前だよな』
『は?』
『だって中3でそこまで言い切るヤツ居なかったぜ?』
インタビューでも彩瀬は他の奴らと違ってた。
どこまでも、王者の威厳と風格に満ちあふれていた。
『……でも、俺、今のメンバーも悪くないと思うけど』
『なんで』
『バスケの強豪やし、共学じゃないんはちょっと残念やけどそのお陰で文武両道に打ち込めるし』
確かに、共学じゃない分、バスケ部で黄色い声が練習の妨げになるようなことはない。
そのせいか女子も観戦しに来る他校での試合では野郎どもの気合いが異常なほどに入って、部内の雰囲気も悪くない。
上下関係も、対人関係も、今のところ問題になるようなことは全くない。
みんなバスケの推薦で入学して、大学へもエスカレータ式に一緒に上がるだろう。
そして、プロになることをみんな目指してる。
『最高の環境、全力を出しても出し足らんくらいにハイレベルな練習』
『でも普段はただのバスケ馬鹿な高校生』
『そうそう。みんな目指すもんは同じやから、チームとしてもまとまれてる』
実際、それをまとめあげてるのは部長の俺じゃなくて副部長の彩瀬なんだけど。
カリスマ性というか、上級生とも下級生とも折り合いが良すぎる。
『それに、俺には茱璃って相棒が居るし』
『え、』
『こんなに息が合う奴らなんて、俺ら以外にそう居らんって』
その綺麗な顔で、人懐っこい笑みで俺を見る彩瀬。
『だから俺、このメンバーでも優勝狙っとるで、次の大会も。茱璃もやろ?』
『……とーぜん』
『よろしい。……んじゃ、俺らも練習行くで』
『おー』
部誌を閉じて、バッシュを持って部室のドアを開ける。
自主連、という形でランニングやシューティングをしていた部員達が集まってくる。
『練習開始するぞー!!』
彩瀬の一声で、更にみんなの気が引き締まる。
『……やっぱ彩瀬が部長の方が良かったんじゃねーの?』
『は?俺は茱璃がキャプテンだから、副キャプ引き受けたんだよ』
『マジ?』
『あぁ。……俺らは、お前にどこまでも付いてくよ』
隣で走りながら、口元だけで彩瀬は笑う。
恥ずかしいことをその綺麗な顔で言ってのけるので、俺の方が恥ずかしい。
『ほら、キャプテン声!』
彩瀬に言われて、かけ声を出す俺。
本当に、頼もしい相棒だよな。
彩瀬の横顔を見て、俺はいつもそう思う。
『ん?』
ジャーペンを置き、部誌から顔を上げる彩瀬。
『俺さ、お前のパス受けたときめっちゃ感動したんやけど、覚えとる?』
『あぁ……初めてって感じやなかったわ、俺も』
『なんか絶妙のタイミングっていうか』
『以心伝心、って感じやったよなぁ』
球速、タイミング、ポジション、全部が丁度ピッタリで。
まるで昔から同じチームでプレイしていたみたいに、パスが通った。
『まぁ、中学ん時は全国大会でよぉ会ったしなぁ』
『そうやなー。俺も彩瀬も部長でさ、中学最後の試合』
『あぁ、あの決勝戦やろ?延長戦にもつれこんだんやったなぁ』
『あの時、やっぱ彩瀬って凄いなぁって思ったで』
彩瀬はその前の準決勝で足を痛めて、決勝はスタメンから外れていた。
俺らとしては相手がベストメンバーじゃなくて残念だったけど、でも、これなら勝てると思ってた。
だけど。
『123対124で、お前ん所が勝ったんだよなぁ』
『まぁ、俺も負けられんかったし』
延長戦で、彩瀬の方のチームは「主将(彩瀬)が居ない」ってことで明らかに動揺が走った。
でも、最後の10分、流れを変えたのは彩瀬だった。
『10分だけでも、結構きつかったやろ?』
『まーな、医者に怒られた。でも、俺はこの試合で足が使いもんにならんでもえぇと思ってたし』
テーピングをした彩瀬がジャージを脱いでコートに入った瞬間、相手チームの雰囲気が一変した。
切れかけてた集中力が研ぎ澄まされ、士気が一気に上がってた。
『俺は、あいつらと一緒やったから全国まで行けた。みんな俺を頼ってくれたし俺も頼ってた』
彩瀬のチームの団結力は全国一だと、俺たちや他の奴らも思っていた。
将来有望な主将が、自らの未来を棒に振るような危険を冒してまで、優勝に執着した。
その彩瀬の勇姿は美談となり、新聞に載るまでになった。
『今、試合に出んかったら、きっと俺は後悔するって思った。どうしても勝ちたかったんや。俺らが追いかけて来たんは、優勝だけやったんや』
『……彩瀬、男前だよな』
『は?』
『だって中3でそこまで言い切るヤツ居なかったぜ?』
インタビューでも彩瀬は他の奴らと違ってた。
どこまでも、王者の威厳と風格に満ちあふれていた。
『……でも、俺、今のメンバーも悪くないと思うけど』
『なんで』
『バスケの強豪やし、共学じゃないんはちょっと残念やけどそのお陰で文武両道に打ち込めるし』
確かに、共学じゃない分、バスケ部で黄色い声が練習の妨げになるようなことはない。
そのせいか女子も観戦しに来る他校での試合では野郎どもの気合いが異常なほどに入って、部内の雰囲気も悪くない。
上下関係も、対人関係も、今のところ問題になるようなことは全くない。
みんなバスケの推薦で入学して、大学へもエスカレータ式に一緒に上がるだろう。
そして、プロになることをみんな目指してる。
『最高の環境、全力を出しても出し足らんくらいにハイレベルな練習』
『でも普段はただのバスケ馬鹿な高校生』
『そうそう。みんな目指すもんは同じやから、チームとしてもまとまれてる』
実際、それをまとめあげてるのは部長の俺じゃなくて副部長の彩瀬なんだけど。
カリスマ性というか、上級生とも下級生とも折り合いが良すぎる。
『それに、俺には茱璃って相棒が居るし』
『え、』
『こんなに息が合う奴らなんて、俺ら以外にそう居らんって』
その綺麗な顔で、人懐っこい笑みで俺を見る彩瀬。
『だから俺、このメンバーでも優勝狙っとるで、次の大会も。茱璃もやろ?』
『……とーぜん』
『よろしい。……んじゃ、俺らも練習行くで』
『おー』
部誌を閉じて、バッシュを持って部室のドアを開ける。
自主連、という形でランニングやシューティングをしていた部員達が集まってくる。
『練習開始するぞー!!』
彩瀬の一声で、更にみんなの気が引き締まる。
『……やっぱ彩瀬が部長の方が良かったんじゃねーの?』
『は?俺は茱璃がキャプテンだから、副キャプ引き受けたんだよ』
『マジ?』
『あぁ。……俺らは、お前にどこまでも付いてくよ』
隣で走りながら、口元だけで彩瀬は笑う。
恥ずかしいことをその綺麗な顔で言ってのけるので、俺の方が恥ずかしい。
『ほら、キャプテン声!』
彩瀬に言われて、かけ声を出す俺。
本当に、頼もしい相棒だよな。
彩瀬の横顔を見て、俺はいつもそう思う。
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