anfair

どちらかというと、俺は傷つきやすいタイプだけど。
でもそれを悟られるほど、感情を表に出すことはできないタイプで。
どんなに傷ついてても、絶対に気づかれたことはなかったんだ。
だからなのか？
いつからか、痛みさえわからないほどに麻痺してしまったのは。


『彩瀬！』
『……静かにしろよ、ここ図書室』
『あ、』

周りの視線が痛い。
高校の図書室なんて、本当に本好きのヤツが来るところで。
そいつらは比較的大人しいというか、真面目そうなヤツが多い。
そのせいか、そんなに露骨ではない程度の避難が茱璃に集まる。
俺は暇さえあればココにいるから、みな俺に対しては結構好意的だけど。

『で、何？』
『いや、何も』
『は？……んじゃ、教室戻れば』
『んー、それは確かなんだけどさ』

俺は本を読みたいし、そのジャンルもなかなかにマニアック。
後で部活とかクラスのヤツに、笑いのネタにされるのは嫌だ。
だから一人で来てるのに、茱璃が居るのは、邪魔でしかない。

茱璃と居るからと言って、常にドキドキしてるわけじゃないし。
むしろ全く何にも感じていないと言った方が正しい。

じゃぁなんでスキってわかるのか、って？
答えは簡単。
ただ、他のヤツよりこいつと居たいと思うから。
だから親友なんていう微妙な立場に甘んじているわけで。

ユウさん、「片恋。」の続き書きましたよ～！
勝手にシリーズ用にカテゴリ作っちゃったわけですが。
この「片恋。シリーズ」ver.の茱璃と彩瀬はTrip連載「失われた楽園」に転校させる気です。
まぁ、直球で言えば、この二人がトリップしちゃうのが「失われた楽園」ってことです。
トリップ用の主人公設定がなかなか決まらなかったんですけど、ユウさんのお陰でコレの存在を思い出したので、「そういやこいつら親友やん！」と採用することに。
ってなわけで、今度からこの子達はMainで活躍させますね！
ありがとうございました、ユウさん！